2009年4月6日月曜日

第2回 スーパーカーは、括れ(くびれ)が命!











第2回目の写真は「童夢ゼロ」です。 
マルチェロ・ガンディーニのベルトーネ時代デザインしたスーパーカーのコンセプト「1BOX WEDGE SHAPE」を完全に模倣していますが、もし量販されていたら今以上の人気があったかもしれません。 そう考えると、カウンタックがコンセプトモデルで終わっていたら30年前のスーパーカーも現在のスーパースポーツカーも現れて来なかったかも?


 「ウルフカウンタック」以上に憧れる車が現れないのか?僕の好みでしかないのですが、今の車に感じられない点が「括れ(くびれ)感」だと思うのです。 「童夢ゼロ」も直線的なデザインですが、側面の上下に分けるラインから凸状に「く」の字になっていて、下側が括れています。


 カウンタックも側面のエッジから下へなだらかに括れ、ステップのラインからぎゅっと括れています。 ガンディーニの1970年前後のコンセプトカーデザインの特徴かもしれませんが、この括れがないのとあるのとでは、デザインの締まりが違います。 しかし、現在、発表されている車は、この括れが全くありません。


 今の車は、エアロダイナミックスを考慮したデザインだと思うのですが、側面が平面で、下方に軽く湾曲した感じになっています。グループCカー全盛期のサイドデザインは平面です。写真の956のように平面になっていて、ボディーの底の空気を前方から後方へ早く流れるようにしてダウンフォースを得る様にし、その際空気が側面流れないようにするため、前輪後部サイドから後輪前部サイドまで直線で結んだ形状にしています。また、側面の空気の流れがボディーの底へ流れないようにしています。この方が空気の流れがよく空気抵抗が少ないようです。 よくエアロパーツでサイドスカートがありますが、エアロダイナミックスにはあまり影響はなく、あくまでデザインらしいです。


 当然、ジャガーソブリンもサイドに括れがありますが、空気抵抗は、CD値0.37で、そんなに悪くはない。日産GT-RのCD値は、0.27で、R32の時は、0.41でした。 ボディーのデザインは、空気抵抗とダウンフォースの兼ね合いが重要で、空気抵抗を少なくするとダウンフォースが減り、ダウンフォースを多くすると空気抵抗が増えます。F-1などのフォーミラーカーは、空気抵抗が少なく見えますが、モナコなどコーナーが多いサーキットでは、CD値が1を超えるそうです。ちなみにCD値1は、ちょうどレンガのような真四角の形をしたものの空気抵抗です。  レーシングカーは、空気抵抗とダウンフォースを考えデザインされていますが、スーパーカーは、それだけではなく感動が必要になり、それ以上に必要な要素が重要です。 レーシングカーは、レースに勝つ(優勝する)ことで、評価されますが、スーパーカーの評価は?とても難しいことです。 車は、より多く売れることで評価され、メーカーにより多くの利益をもたらすことが1番です。でも、スーパーカーは、軽自動車の開発費より安く、利益率も高いですが、生産台数は1桁~2桁違います。 フェラーリの年間の総生産台数が4,000台くらいで、スズキのワゴンRが1ヶ月16,000台売っています。 スーパーカーとはいえ、憧れられるより売れて、メーカーに利益を出し、商売になることが重要で、今のランボルギーニのようにムルシェラゴが売れて、ガヤルドが売れて、LP560-4の新型が発売が出来るようになるのです。ムルシェラゴがこけていたら、アウディは、ガヤルドの計画自体を白紙するつもりだったようです。 今、成功している21世紀のスーパーカーは、ガヤルドなのかもしれません。 でも、21世紀のスーパーカーは、公道を走るレーシングカーぽい性能とデザインのよく売れる車でいいのでしょうか?・・・・・・・つづく。

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